小田原みづえ先生の作品の大正ロマンチカ。
大正時代よりアンティークと呼ばれる歴史ある家具たちの
愛好家たちは惜しみなく家具に財産をつぎ込んでいた。
そんなアンティークをこよなく愛する娘の明。
亡くなった父親の形見を取り戻そうと
訪れた公爵邸で出会ったのは金髪碧眼の公爵様。
形見を譲ってもらう代わりに公爵のパートナー
つまりお嫁さんをやるようにと言われて――?
ネタバレもありますので先に無料で試し読みをしたい方はこちら。
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大正ロマンチカのあらすじは?
明の父親・滝川蓮は腕の良い家具師でした。
古き良きアンティークが愛されているこの時代
高価なアンティークを購入したくても
手に入れることが出来ない人のためにレプリカを作る天才。
好きな家具に囲まれて暮らしたい人の夢を
叶えてくれていた滝川は心無いひとの策略に陥れられてしまい
贋作家の疑いをかけられることになるのです。
そして思いつめた父親は一人娘の明を残して
自ら命を絶ってしまいそれが世に言う滝川事件――。
滝川蓮の愛娘・明は蓮からたくさんの家具に関する知識を伝授され
アンティークをこよなく愛する少女に成長しました。
贋作を許さない明は確かな審美眼で目の前の家具が
正規品なのか贋作なのかを見分けることが出来ます。
![大正ロマンチカ](https://haishin.ebookjapan.jp/contents/thumb/l/OZR37660.jpg)
大正ロマンチカ
そんな明は父親の形見を探していました。
それは公爵家に収められているブローチ。
公爵に直談判すべくもぐりこんだ屋敷で
出会ったのは金髪碧眼の公爵様でした。
形見を返してほしいと頼む明に公爵が突き付けた条件は
日本に滞在している間のパートナーとして振る舞うこと。
骨董品を扱う貿易を生業にしている公爵が参加する
晩餐会やパーティに同席してほしいと
そう伝えたつもりでしたがパートナーをお嫁さんだと
勘違いした明は立派な嫁になることを誓うのでした。
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大正ロマンチカのネタバレとその後の展開は?
明は公爵と共に暮らすようになり
公爵のパートナーを務めるようになります。
確かな審美眼を持つ明は一目で商品が贋作か
正規品かを見分けることが出来る優れた能力の持ち主。
本人はただアンティークが好きで贋作なのかどうかを
楽しんで見極めているだけでしたが
その一言が様々な事態を巻き起こしていく・・・。
無邪気で素朴な明は父親を失ってずっと一人ぼっち。
しかし公爵との生活の中で公爵の温かさや素朴さ
優しさに包まれることになりようやく1人ではないと
安心した生活を送ることが出来るようになります。
それは父親の形見を取り返すための
ビジネス上の関係のはずだったはずなのに
いつの間にか感じたことのないような胸のときめき
締め付けられるような痛みを感じるようになり
明の気持ちが少しずつ動いていくのです。
![大正ロマンチカ](https://haishin.ebookjapan.jp/contents/thumb/l/OZR37660.jpg)
大正ロマンチカ
一方、公爵は明の審美眼を利用することを目的として
近づいていましたが屈託なく笑うその笑顔や
公爵を真っ直ぐ思う優しさ
自分のことを真剣に心配し慕ってくれる明と一緒にいるうちに
公爵の気持ちにも徐々に変化が現れるようになるのでした。
様々な出来事を2人で乗り越えるうちに
少しずつ変化していく2人の関係・・・。
しかし2人の仲を揺るがすような新聞記者が現れ
明の気持ちに揺さぶりをかけるようになるのです。
そして信じていた公爵が滝川事件に
関与している可能性も浮上して――?!
大好きだった父親を奪ってしまったのは
もしかしたら公爵かもしれない・・・
それでも公爵のことが好き。
揺れ動く明を支えてくれるのは
自分の心の中を見つめる審美眼だけ。
大正自体を舞台としたロマンスは
いったいどうなっていくの――?!
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大正ロマンチカの感想は?
古き良きアンティークは様々な人の手に渡りながら
長年愛されてきたとても思い入れがある家具たち。
そんな家具を真っ直ぐに愛しながらも
それまで自分が住んでいた世界が広がりながら
新しい世界にいる公爵に惹かれていく明。
自分の気持ちを何と表現して良いのかもわからず
あたふたと混乱している姿はとてもかわいらしく
女の子が少女に成長していく姿が
とても見事に描かれているように感じました。
![大正ロマンチカ](https://haishin.ebookjapan.jp/contents/thumb/l/OZR37660.jpg)
大正ロマンチカ
そして飄々としている公爵の本心はまだ分かりません。
明との距離が近いのは金髪碧眼のお国柄からなのでしょうか。
しかし明らかに明との時間を重ねるうちに公爵の心が
温かく丸くなっているような気がしてなりません。
明の可愛らしさに触れながら少しずつ変化しているような公爵と
初めて恋を覚えた明との関係から
まだまだ目を話すことが出来ない一冊。
絵がとても繊細で可愛らしく読み応え抜群の作品です。
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